ひなたブログ

気が向いた時に感想を吐き出していきます。

舞台カラーマリス柳愛時編ゼロエンド感想

まず、カラーマリス自体は無印とFD共にプレイしていましたが、舞台シリーズは初めてで、かつ最後に2.5次元舞台を観たのは2019年のピオフィオーレの晩鐘運命の白百合以来、人生でも2度目の体験でしたので、一体楽しめるのか不安になりながら当日の朝家を出ました。

記憶の限りではピオフィと比べ座席数がぱっと見2倍ほどあり、舞台シリーズも4年続いておりかなり舞台作品としての評価も高い作品のようです。

私は確か先行と一般でチケットを申し込みましたがどちらも当たらず、友人が一般で入手してくれたので、劇場に足を運ぶことが出来ましたが、チケット倍率もかなり高かったように感じます。今回が最終章柳愛時編だったことや、今回私が行ったのがゼロエンド公演であったことも理由にあるかもしれません。

 

ゼロエンドと聞いていたので、無印のゼロエンドで終わるのかと思いきや、なんとFDのアドニス編までやってくれるとは!

最近冴市がじわじわ来ていたので嬉しかったですね。ただアドニス編までやってしまうと冴木がインパクト強すぎて柳愛時編であることは最後忘れてしまっていたので最後キャストさんが揃って出て来た時に(あ、そういえばそうだった)と思い出しましたw

ただ最後柳さんと市香ちゃんがふたりではけていく時、柳さんが市香ちゃんの頭をポンポンして手を繋いで帰って行った時は、アドニス編を見た後だからこそ、失ってしまった柳さんとの日常や見る事のなかった続いていたはずの未来に、切ない気持ちでいっぱいになってしまいました。

最後私の好きなアドニス編のエンディングテーマも流れて、最高。アドニス編といえばこれでしょ。そして組織を壊滅させ冴木を撃ち、ひとりになった市香ちゃんに降り落ちるアネモネの花弁。暗い劇場と市香ちゃんを照らす赤いライトが相まって、カラーマリスの影の部分をこれ以上ないくらい現実に表していたと思いました。

カラーマリスの隠と陽優しすぎる冴木の悲しい正義が辿った結末があるからこそ、FDで描かれるもうひとつの正義の掴んだ小さな日常が眩しく輝くんですよね。その影を上手く表現出来ていて、ゲームを遊んだ時の喪失感そのものがありました。

 

最後のお辞儀も、冴木くんらしいお辞儀の仕方で、役作りも素晴らしく……

どのキャラも、ちょこちょこ声が似ている瞬間があり原作の声優さんの演技に寄せているのが感じられて驚きました。これが2.5次元か……と。

 

他の舞台もそうなのかは分かりませんが、全体で3時間15分もありました!ピオフィがそんなに長時間見た記憶がなくてせいぜい1時間半とかかと思っていたらさ、3時間だと……

それだけあっても、内容自体はかなり駆け足で、ダイジェストが繋がっているみたいな構成でした。柳さんや市香ちゃんがバーッとあらすじや世界観を説明するシーンが多くて、セリフ量がものすごい。役者さんはよくそんな文量を覚え切れますね。

それから、舞台によって脚本家?演出家?のクセみたいなものって出るんですね。ピオフィの時は、ゲームをそのまま舞台化した感じがありましたが、今回はかなりキャラクターの説明の台詞や語りが多かった。逆にどのキャラクターを掘り下げるか、どのシーンは残してどのシーンは捨てるか、ゲームファンである観客の望むシーンはどこかなどの取捨選択がしっかりされていたり、各キャラクターについてよく理解が及んでいる(公式なんだから当たり前ですけど)脚本だと思いました。役者の着替えの時間を稼ぐために別のキャラに心情を語らせておくとか、舞台脚本としての構成って、やっぱりあるんですね、多分。

 

役者さんのツイッターなどを見ていても、自身の演じるキャラクターやカラーマリスという作品への愛を感じる方も多いことも、ファンとしては嬉しいところでした。